次世代導電性材料Ti3C2Tx MXene

高性能デバイスの未来を切り拓く
最新の導電材料

MXenesとはABOUT MXenes

MXenes(マキシン)は、Mn+1XnTxの一般式で表される新しい2次元材料であり、高い導電性、機械的柔軟性、化学的安定性を有しています。
MXenesは2011年に米国ドレクセル大学によって発明された、ナノシート形状の金属炭化物または窒化物の総称です。組成はMn+1XnTxとして表され、Mは遷移金属(Ti、V、Nb、Moなど)、Xは軽元素(CまたはN)、Tは表面官能基(H、O、F、Cl)からなります。Ti3C2, V2C, Mo2Cなど50種類以上のバリエーションがあります。
日本材料技研株式会社では、主にTi3C2Tx MXeneの粉末や分散液を提供しており、透明導電膜や高性能デバイスへの応用が期待されています。

MXenes (M3X2T2)の結晶構造

Ti3C2Tx MXeneに
期待される機能FEATURE

1高導電性

Ti3C2Tx MXeneは自由電子を多く有するため、金属的な導電性を示します。組成 (M, X, n, T, x)や加工法によって、導電性は変動しますが、高い導電率(数百~数千S/cm)を有します。柔軟で加工もしやすいです。

高導電性イメージ

2電磁波シールド性

Ti3C2Tx MXeneは高導電性と層状構造により、優れた電磁波シールド効果(EMIシールド)を発揮します。電磁波吸収と反射の両面で効果的で、薄膜でも高いシールド性能を実現可能です。

電磁波シールド性イメージ

3遮熱性

Ti3C2Tx MXene薄膜は赤外線反射や吸収能力が高く、遮熱効果を持ちます。柔軟なフィルムとして赤外線・熱遮蔽材に活用され、省エネや温度制御用途でも注目されています。

遮熱性イメージ

4仕事関数調整

Ti3C2Tx MXeneは表面終端基(-OH、-O、-Fなど)の制御により仕事関数を広範囲に調整可能です。これにより、電子注入・輸送特性を最適化し、エレクトロニクスやセンサーに応用できます。

仕事関数調整イメージ

Ti3C2Tx MXene の
応用分野APPLICATIONS

リチウムイオン電池lithium ion battery

Ti3C2Tx MXeneは、高い導電性を活かし、LIB(リチウムイオン電池)の導電助剤として応用できる可能性があります。LCO(コバルト酸リチウム)、LFP(リン酸鉄リチウム)、LMFP(リン酸マンガン鉄リチウム)などの様々な正極活物質や、負極活物質に対する効果が期待できます。
日本材料技研では、東京都立大学や東北工業大学との共同研究による、水系プロセスおよび有機系プロセスで正極を塗工した電池の作成などに取り組んでいます。

リチウムイオン電池イメージ

スーパーキャパシタsupercapacitor

Ti3C2Tx MXeneは、高い導電性と表面積を活かし、高速充放電特性や高エネルギー密度などに優れたスーパーキャパシタの電極材料として応用できる可能性があります。
日本材料技研では、東北大学における研究による、Ti3C2Tx MXeneを用いたスーパーキャパシタの試作などに取り組んでいます。

スーパーキャパシタイメージ

透明導電膜/光センサーtransparent conductive film / optical sensor

Ti3C2Tx MXeneは、高い分散性を活かして、Ti3C2Tx MXene分散液を塗布することにより室温プロセスでの透明導電膜を形成することが可能です。この透明導電膜は、有機フォトダイオード(OPD)の電子輸送層として応用できる可能性があります。
日本材料技研では、東京大学との共同研究による、Ti3C2Tx MXeneを電子輸送層に用いた薄膜フレキシブル有機フォトダイオードの検討などに取り組んでいます。

透明導電膜/光センサーイメージ

その他の応用分野For others

Ti3C2Tx MXeneは、高い表面活性や化学的安定性といった特性を活かし、右記下記のような分野における応用可能性もあります。

  • センサー 高感度な化学センサーやバイオセンサー
  • 触媒 電気化学反応や光触媒反応における触媒材料
  • 水処理 水中の有害物質の除去や浄化プロセス

Ti3C2Tx MXene製品PRODUCTS

多層Ti3C2Tx MXene粉末Multilayer Ti3C2Tx MXene powder

日本材料技研株式会社では、多層Ti3C2Tx MXene粉末をサンプル販売しています。

粉末データ
粉末イメージ
剥離Ti3C2Tx MXene水分散液Delaminated Ti3C2Tx MXene aqueous dispersion

日本材料技研株式会社では、剥離Ti3C2Tx MXene水分散液をサンプル販売しています。

分散液データ
分散液イメージ

MXenes と
オープンイノベーションOPEN INNOVATION

日本材料技研株式会社は、Ti3C2Tx MXeneの粉末および分散液を製造・販売するとともに、大学との共同研究など産学連携のアプローチにより技術的知見を蓄積してきました。
またTi3C2Tx MXene以外の様々なMXenesの合成にも取り組んでいます。
MXenesのような新規材料の社会実装に向けては、様々な企業や大学の皆様とのオープンイノベーションが必要不可欠と、日本材料技研では考えています。
MXenesを活用した製品開発を検討されるお客様に対して、これまでに蓄積してきた技術的知見をもとに、共同開発などによるサポートをしています。
MXenesを活用した製品改良や新規事業創出にご関心があれば、お気軽にお問合せください。

オープンイノベーションイメージ

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